新しい印刷物

江戸時代に活発になった木版画などの印刷技術は、それまでは色で染めた糸と糸を織ることでしか出せなかった柄や文様などを、江戸小紋を始めとして庶民が気軽に楽しめるものにしました。その技は当時に庶民の間にも広まった和紙にも用いられ、錦絵、千社札、千代紙などが大衆文化として発展しています。更に現代では簡単に印刷する環境が整い、家庭で印刷物を生産することも易くなりました。
しかし、この新しい印刷物は「モノ」として魅力があるものはそれほど多くありません。一時的な情報媒体としての紙は、iPadなどの情報端末の発展と普及により役目を終えつつあり、近い未来に淘汰されていくようにも予見できます。しかし紙は情報媒体としての役割だけではなく、多様な可能性を持つ「モノ」だと考えています。
例えば"包む"こと。易く印刷物を生産できる環境が整ったからこそできる魅力的な包みもあるはずです。

家庭内で印刷物を生産できる環境が整い、和紙など印刷できる紙の種類も増えて手に入り易くなりました。Ａ４折形はこの状況の中、より魅力的な紙の使い方について提案していきたいと考えています。