秋のかさね色「白菊」の祝ひ袋です。
かさね色「白菊」は萌黄に白を合わせ、白い菊の花と葉を表します。秋の菊は、古代の日本で春の梅や桜と並んでその季節に楽しむ花の代表格でした。五節句の一、九月九日の節句は縁起の良い陽数の九のが重なることから「重陽(ちょうよう)」と呼ばれていますが、この時期には菊の花が咲くことから別名「菊の節句」と呼ばれます。邪気を祓い長寿延年を祈って菊花宴が行われ、菊酒が振舞われていたそうです。気品高い白菊は古代の日本で最も好まれた菊の色です。
この祝ひ袋は、吉祥とされる右前の簡素な基本形にし、気品高い白菊の風格を見立てました。