群れをつくって飛ぶ蜻蛉文の祝ひ袋です。夏の始まりの七月から秋が深まる九月ごろの間に力強く飛ぶ蜻蛉は、凛とした姿で愛されてきました。蜻蛉は別名「かちむし」とも呼ばれ、力強く飛ぶ姿から武士にも好まれたそうです。昆虫の文様が少ない中でも蜻蛉や蝶などはその季節の訪れを強く感じさせたのでしょう。秋草とともに描かれることも多く、短い間だからこそ感じられる風情を楽しむ文様です。