冬のかさね色「氷重」の祝ひ袋です。
かさね色「氷重」は白に鳥ノ子を合わせて、冬に水の上に表れる氷を表します。鳥の子はごく淡い灰味の黄の色で、本来は雁皮紙を指します。その色目が鶏の卵の色に似ているところから鳥ノ子と呼ばれています。
この重ね色と同じように、光沢を付けた白に白を重ねる氷を表す「氷」と呼ばれる重ね色もあります。この「氷重」はそれに少し変化を付けた色目です。冬に光沢のある白を重ねるといかにも寒々しい様ですが、その季節の空気や気配まで素直に楽しむ文化が育まれていたのでしょう。
この祝ひ袋は、張った氷のような鋭い形に、鳥ノ子色を配して少し軟らかくしました。